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面会交流の条件を変更する

子どもがいる夫婦が離婚をするとき、面会交流に関する取り決めを行います。しかし、離婚時に決めた条件では面会交流が円滑に行えない、充実した面会交流が出来なくなるということは少なくありません。また、子どもの成長に伴い、面会交流の前提となる状況が変化したり、子ども自身の面会交流への意識に変化が生じることは当然です。
そのような場合、初めに定めていた面会交流の条件を変更する必要がでてきます。

 

面会交流の条件を変更する必要がある場合

もっとも面会交流が円滑に実施できなくなっても、条件変更が必要な場面と必要のない場面があります。条件変更が必要かどうかは、子どもと一緒に暮らして、子どもを監護している親と、子どもと離れて暮らす親かによって違ってきます。

 

●子どもと一緒に暮らす親の場合

子どもと一緒に暮らしている親(監護親)の場合では、子どもの成長や環境の変化によって、これまでと同じような面会交流が困難となった場合には面会交流の内容を変更することになります。

例えば、これまでの約束では、月に2回の面会交流を実施すると定められていた場合に、子どもが成長し、塾や習い事を始めたことで、約束通りの面会交流の実施が困難になることはあります。その場合は、面会交流の頻度や時間を少なくする必要がでてきます。

 

●子どもと離れて暮らす親の場合

(1)面会交流が円滑に実施されている場合

子どもと離れて暮らす親(非監護親)の場合には、面会交流をより充実させたいと考える場合には面会交流の内容を変更することがあります。

例えば、当初の話し合いの際に、子どもが慣れるまでは当面、面会交流の時間を短時間としていたり、数か月に1回、あるいは第三者の立会いを条件としていることがあります。そうしたケースで、面会交流が順調に実施され、子どもも慣れてきたということで、頻度を増やしたり、時間を延長したり、第三者の立会をなくし、親子だけの面会を実施したいと思ったときには、面会交流の条件を変更することになります。

 

(2)面会交流が約束通り実施されない場合

逆に面会交流が当初の約束通りに実施されない場合にも面会交流の条件を変更する必要あります。

通常の離婚の際は、「月〇回、子の福祉に配慮して面会交流を実施する」というような抽象的な面会交流の約束が交わされます。しかし、このような面会交流の合意では、守られなくても、法的に面会を強制することはできません。面会交流について、強制力をもって要求するには、面会交流の日時、頻度、交流時間の長さ,子どもの引渡しの方法などを具体的に決めておく必要があるとされています(最高裁平成25328日決定)。

そのため、面会交流が離婚の際に決めた約束どおりに実施されない場合にも面会交流の条件を変更する必要があります。

 

元の面会交流の内容が、審判や調停で定められたものか、公正証書などの当事者の協議書で定められたものである元配偶者である相手方が条件変更に同意してくれる場合、変更は簡単です。

 

面会交流の条件変更の方法

(1)合意による場合

元の面会交流の内容が、審判や調停で定められたものか、公正証書などの当事者の協議書で定められたものであるかに関わらず、元配偶者である相手が条件変更に同意してくれる場合には変更は簡単です。当事者で新しい合意をして、その内容を書面などに残しましょう。

 

(2)合意ができない場合

条件変更につき、相手方が同意してくれない場合には、家庭裁判所に面会交流調停の申立てを行う必要があります。

面会交流調停というと、子どもと離れて暮らす親が、子どもとの面会を求めて提起するものと思われますが、面会交流の内容を変更する場合には、子どもと一緒に暮らす親から面会交流の調停を起こすこともできます。

そして、調停を実施しても、合意が成立しない場合には審判手続きに移行し、最終的には裁判官によって新しい面会交流の条件が決定されます。

 

面会交流の条件変更が認められない場合

当時者間の協議や調停で合意が得られない場合には、裁判所の審判によって面会交流の新しい条件が決められると述べましたが、審判では必ず面会交流の条件が変更になるとは限りません。裁判所がこれまでの条件を変更する必要はないと判断すれば、面会交流の内容は変わりません。

裁判所が面会交流の条件を変更するには、もとの面会交流の約束をしたときに考慮された事情が変わったかどうかということが重要です。もっとも、ただ、事情が変わったというだけではなく、新しい事情を踏まえて、面会交流の条件を変更することが、子どものために必要だと裁判所が判断することが必要です。そして、その際に子どもがある程度の年齢であれば、子ども自身の意向も重要になります。

例えば、子どもが成長し、塾や習い事を始めたため、これまで面会交流を実施していた土曜日に面会交流を実施することが難しくなった場合には、実施する曜日を変更したり、習い事に支障がでないよう面会交流の時間を短くするほうが、子どもにとって良いということであれば、裁判所が変更を決定します。

また、最初は約束どおり実施されていた面会交流が実施されなくなったという場合、それが子どもと一緒に暮らしている親の都合による場合は、強制的に面会交流を実施させることが子どもの利益になると判断され、面会交流の条件が変更になる可能性高いです。

 

逆に、子ども自身が面会交流を実施したくないといって、面会交流が実施されなくなったのであれば、強制力をもって面会交流を実施することが子どものためにならないと判断されるので、面会交流の条件の変更は必要ないとの決定になる可能性が高いといえます。

 

 

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